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はじめに...


 「全国こども電話相談室」というラジオ番組を聞いたことがありますね。幼い子供がラジオ局で待機しているムクツケキ識者たちに実に素朴な質問を電話で投げかける...

「人間って、なぜ夜寝るの?」

「なぜ赤は"止まれ"で青は"進め"なの?」

どうして?なぜ?なんで?......

 何しろ相手は子供だけに、大人から見ると冷や汗の出るようなとんでもない質問が続出します。しかし、このとんでもない素朴な質問に対し、一つ一つきちんと答を出していくことが、実は私たち知恵を売るマネジメントコンサルタントの成功のカギだということをご存じでしょうか?

 世の中がこれだけ複雑にからみ合い、しかも急激に変化してくると、どうしても我々は途中の思考プロセスは少し飛ばしてもとにかく「答」が出てくるブラックボックスを欲しがります。お金を入れてスイッチを押せば自動的に答が出てきて欲しいのです。だって、その方が楽だから。そして、その思考をワンパターン化する「常識」という名札が貼られ、一般化します。

 不景気だ→やれ公共投資を増やせ

 寝たきりが増える→それ福祉に金を回せ
      .
      .
      .
 ちょっと待って下さい。

「日本では福祉に金を回せば本当に寝たきり老人が減るのですか?」

 この素朴な疑問「どうして?」に対して、皆さん、きちんと答えられますか?このパターン化した「常識」を「ちょっと待てよ?」と一歩止まってゼロベースから考え直してみるところに、本当の「答」にたどり着く糸口が隠されているのです。

 この「なんしょんな!!香川」攻略本は、ライブ番組「TVキャビネット」でのそんな皆さんからの素朴な質問に私が四苦八苦しながら答えたものです。皆さんからの質問は多岐に渡っていますし、私は政治、経済の識者でもなく、専門家のいわゆる「常識」は持ち合わせていませんので、そう右から左へパターン化して答えられるわけもありません。従って、一度自分の頭の中で皆さん方の質問を自分なりに"解体"し、それをまたゼロベースから再構築して「こうじゃないかな?」という方向性、解答を模索しています。加えて、ライブ番組なのでその思考のプロセスをリアルタイムでしゃべっています。つまり、私の頭の中の試行錯誤がそのまま映し出されていると思ってよいでしょう。

 そのプロセスを、本誌で忠実に再現しようと試みています。なぜなら、たぶんそれが皆さん方が自分で「答」を導き出す際の一番のヒントになると思ったからです。「香川をどうするのか?」という「答」は誰かが教えてくれるものではなく、皆さん方一人一人が自分で考えて創り出さねばならぬものだからです。

 本書は瀬戸内海放送「なんしょんな!!香川 TVキャビネット」(99年2月〜4月放送分)とTJ Kagawa連載「なんしょんな!!香川」(98年5月号〜99年4月号掲載分)のQ&Aコーナーに寄せられた質問と、それに対する私の答を集めて掲載したものです。上述の趣旨から、なるべく私のしゃべった通りをそのまま再現しようとしています(少し言い足りなかったところは加筆しています)。従って、少々ロジックが飛んだり、内容がダブって冗長だったりしますが、その点はなにぶん、ご容赦下さい。逆にその方が目的に合致していると思ったりもします。

「私はこう考えた......皆さんはいかがですか?」

 私の答に至るプロセスを参考にして、皆さんに考えて答を出してもらう...実はこれこそが「TVキャビネット」の目的とするところです。香川のひとりひとりが考え始める...このQ&A集が香川再生の第一歩となることを祈っています。

1999年5月7日高松にて
     都村長生


目次
第1部  「行政の役割」
【Q1】 行政と企業経営は違うのでは?
【Q2】 行政の効率化は弱者が損失を被るのでは?
【Q3】 高松の公共交通の貧弱さはどうにかならないのか?
【Q4】 「国債」はどこからどう借りてきているの?
【Q5】 富の再配分権は民間が持ってはいけないのでは?
【Q6】 「成長曲線」ってどういうこと?
【Q7】 パルチザンで成功した地方はあるのか?
【Q8】 「香川はダメだ」という話以外にないのか?
【Q9】 讃岐の人間の考え方では何もできないのではないか?
【Q10】 「四国出島化」に失敗したらどうなるのか?
【Q11】 地域が競争していいのか?競争のない広域行政こそ望まれるのでは?
【Q12】 税制度をアメリカ並みにするのは危険ではないか?
【Q13】 公共投資と減税のどちらが効果があるのか?
【Q14】 公務員の考え方が変わらなければ何も変わらないのでは?
【Q15】 「なんしょんな!!香川」の提言は実現不可能な机上の空論ではないのか?
【Q16】 県庁職員はどういう志を持てばいいのか?
第2部  「水問題」
【Q17】 歴史的背景を無視して吉野川の水はもらえないのではないか?
【Q18】 どうすれば行政を動かせるのか?
【Q19】 今の行政組織で水問題に対応できるのか?
【Q20】 岡山から瀬戸大橋で水を引けないのか?
【Q21】 吉野川の水を減らすと生態系に影響はないのか?
【Q22】 吉野川にダメージが起きたら責任をとれるのか?
第3部  「交通問題」
【Q23】 瀬戸大橋を無料にしてフェリーが壊滅してもいいのか?
【Q24】 高速道路は「速い」のだから有料で当然では?
【Q25】 高松空港に点をつければ何点?
第4部  時事 PART1
【Q26】 サンポート高松に対する見解は?
【Q27】 それでもサンポートに期待していいのでは?
【Q28】 香川県のバランスシートって何?
【Q29】 どういう基準で投票すればいいのか?
【Q30】 公職選挙法に対する見解は?
第5部  時事 PART2
【Q31】 選挙の投票率を上げるにはどうすればいい?
【Q32】 豊島問題の一連の経過についての見解は?
【Q33】 地域振興券に対する見解は?
【Q34】 家庭教育の役割は?ナイフ所持や所沢高校の問題に対する見解は?
【Q35】 所沢高校問題は生徒の自由ではないのか?
【Q36】 国家と国歌や国旗の話を一緒にするのはおかしいのではないか?
【Q37】 なぜ親が反対しても市が保育園の閉園を決めるのか?
【Q38】 「学級崩壊」にどう対処したらいいのか?